7つ?3つ?遺言の方式

今回は「遺言の方式」について確認していきましょう。

遺言の方式を7通り3通り、そして2通りとして考えてみます。

「遺言の方式7つ」説⇒正解

遺言は民法に定められた方式に従って作成することが求められ、全部で7つの方式が法定されています。

普通方式

普通方式には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3つがあります。

それぞれに所定の作成ルールがありますが、遺言者はいずれの方式を選択することもできます。

特別方式

特別方式には「危急時遺言」と「隔絶地遺言」の2つの方式があります。

さらに危急時遺言は「死亡危急時遺言」と「船舶遭難時遺言」に分かれ、隔絶地遺言は「伝染病隔離時遺言」と「在船時遺言」に分類されます。

結果、普通方式3つ、特別方式4つの計7種が遺言方式として民法に定められていることになります。

ポイント①

民法に定められている遺言の方式は全部で7つ

「遺言の方式3つ」説⇒事実上の選択肢

ここからは現実的な話になります。

先に挙げた特別方式遺言というのはその性質上あらかじめ準備しておくものではなく、当コラムで紹介することが適切ではないと考えます。

そのため事実上は遺言の方式として選択余地のあるものは3つ、つまり普通方式に分類される各遺言方式ということになります。

遺言書を作成しようと思い立ちその方式を選択する際は、まず自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つに絞ってその長所や短所を自身の状況に当てはめる作業が必要になります。

ポイント②

事実上は普通方式の「自筆」「公正」「秘密」証書遺言の3つが選択肢となる

「遺言の方式2つ」説⇒考慮すべき選択肢

さらに踏み込んで、本当に考慮すべき選択肢を考えてみます。

普通方式の一つである秘密証書遺言にはいくつか利点もありますが、現実にはほぼ利用されていません。

法務省が実施したアンケートにおいても選択肢にすら挙がっていないことから、その利用頻度の極小さがうかがい知れます。

ということで実際問題として考慮すべきは自筆証書遺言と公正証書遺言のどちらにするかという点になります。

ちなみに上述の法務省調査によると、作成経験がある方式、作成したいと思う方式のいずれにおいても自筆証書遺言と回答した方の割合が上回る結果となっています。

ポイント③

多くの場合、自筆証書遺言もしくは公正証書遺言を選択することになる

まとめ

今回は「遺言の方式」について解説しました。

まとめると、

  • 民法が定める遺言の方式7つ
  • 現実的には普通方式の3つの中から選択する
  • ほとんどの場合自筆証書遺言もしくは公正証書遺言を作成する

となります。

遺言を作成する理由・動機は人それぞれです。

ご自身の希望をかなえるのに最も適した方式を選択しましょう。

参考資料

  • 平成29年度法務省調査, 我が国における自筆証書による遺言に係る遺言書の作成・保管等に関するニーズ調査・分析業務 報告書 (平成30年3月 株式会社リベルタス・コンサルティング), http://www.moj.go.jp/content/001266966.pdf, April 25, 2020 閲覧.