メリットから考える遺言書

前回に引き続き遺言書の概要を紹介します。

今回は遺言書を作成するメリットを3つに分けて考えます。

円満相続を促進する

円満な相続を促す

遺言書を作成する一番のメリットは何といってもこれです。

「私には相続(争族)なんて関係ない」と感じている方も少なくないですが、相続でもめるケースはこのように特に関心のないまま相続を迎えてしまった家族であることが多いです。

重大事に無関心であるという認識

無関心の理由は、財産額や家族構成などさまざまで「うちにはもめるほどの財産はないから」「兄弟仲良くやってるから」という考えをよく耳にします。

しかし財産額5,000万円以下の相続が遺産分割事件の7割以上を占めていること、子の結婚や孫の誕生などのイベントごとにより家族構成は変遷していくこと、そして何より家族の一人が亡くなるということは全ての家族構成員にとって重大事であることには違いないのです。

重大事に関心があまりないということ自体が最も避けるべき状況でしょう。

円満相続への道を照らす灯台

円満な相続は本当に自分の家族に約束されているものなのかどうか、いま一度考え直す必要があるかもしれません。

遺言書は「予防法務の一種」といわれるように、事前に法的な争いに至らないよう準備する書類でもあります。

そのため、遺言者が遺言書にしたためた最後の意思表示円満相続への道を照らす灯台ともなり得るのです。

ポイント①

遺言書は円満相続への道を照らす灯台となるもの

整理がつく

遺言書を作成することで心、頭、そして財産の整理がつくという利点も頻繁に挙がります。

老後や死後の漠然とした不安は時として過大なストレスとなり得ますが、遺言書を作ったことでもろもろの整理がつき、より人生を楽しめるようになったというケースも少なくないようです。

繰り返しになりますが遺言書は生前最後の意思表示ですので、書き残したことが一切ない状態の遺言書が理想的です。

そのため遺言書を作成する過程は、当然これまでの人生をじっくり振り返る場になりますし、さらには家族やお世話になった方々の将来をも想像してどのように過ごしていってほしいか、という思いを巡らせる機会ともなります。

初めはおっくうかもしれませんが、その作成過程ももろもろの整理のきっかけとして貴重な時間だったと感じられる魅力が遺言書にはあります。

ポイント②

遺言書の作成過程においてもろもろの整理がつくという利点もある

絆が深まる

上述の2つのポイントに比べると少々個人的な意見になりますが、遺言書を作成するメリットの3つ目は家族の絆が深まるという点です。

遺言者の立場で考えると、家族の将来を考えながら作成するので自然と気持ちが入りますし、付言事項にこれまでの感謝の念などをつづる場合は口に出して言えなかったことも素直に書き表すことができます。

また相続人となる家族の方々にとっても遺言書は心温まるものであるべきなのです。

なぜなら遺言書は遺言者のためというよりは残された家族(ならびにお世話になった方等)のために書き記すという意味合いが強いからです。

話題になる”争族”ケースで登場する遺言書には心温まる行間を見いだせないこともしばしばですが、本来、遺言書とは絆を深めるものですし、むしろそうではない遺言書は争いを喚起する意味合いが強いためおすすめはできない、というのが筆者の考えです。

ポイント③

遺言書によって家族の絆が深まる

まとめ

今回は遺言書作成のメリットを考えました。

前回と少々意味合いが重複する部分もあったかもしれませんが、遺言書を作成するメリットは、

  • 円満相続を促進することができる
  • 心、頭、財産の整理がつく
  • 家族の絆を深める効果が期待できる

この3つです。

この記事をご覧になって少しでも遺言書に興味を抱きはじめた方は、ぜひ一度検討してみてください。